そばの話【その5】

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そばの話【その5】

そば粉を知る 挽き方で変わるそばの表情

玄そば

収穫されたそばの実は黒い殻に覆われた変形の三角すいの形をしています。
これが玄そばです。角張ったものは香りが良く、丸みのあるものは味が良いとされているようです。

丸抜き

玄そばの殻をむいたもの。単に「抜き」とも言います。そばの製粉は、この丸抜きを段階的に挽きながら振るい分け、何種類かのそば粉に分類します。
また、「抜き」は炊いて「むきそば」としてそば料理に使用したり、炒って味噌にからめれば「そば味噌」になり、お酒のつまみになります。

割れ

玄そばの殻を取る際に割れたもの、もしくは丸抜きを石臼にかけ軽く挽き、割ったもの。割れの程度により「上割れ」「小割れ」などに分かれます。「さらしな粉」は、上割れだけを別に製粉する場合が多いです。

さらしな粉

そばの実の一番中心部、純度が高い高デンプン質のサラサラした純白の粉です。極少量しかとれません。粘りがないので極めてつながりにくく、そばを打つには高度な技術が必要です。更科そばや変わりそばに使用されます。

一番粉

そばの実の中心部分の胚乳を粉にしたもの。内層粉とも言います。少量しか取れません。製粉して最初に出てくる粉で、デンプン質が主体なので色は白くほのかな甘味があります。タンパク成分がほとんど含まれず粘りもないので、つながりにくい粉です。

二番粉

中層粉とも言い、一番粉にならなかった胚乳部や胚芽(子葉部)まで挽き込んだもの。香りや味に優れ、栄養価が高く、色は淡い緑黄色をしています。

三番粉

二番粉が挽砕された残りの部分から挽き出された粉。麦層粉とも呼ばれ、甘皮部分も一緒に挽き込まれるためにそばの香りは強く、栄養もあります。しかし、繊維質が多く、食感は一・二番粉に劣ります。

さなご

製粉の最後に挽き出される粉。末粉ともいいます。外皮すれすれまで挽き込んだ黒く粗い粉で、香りは一番高いですがタンパク質・繊維が多く舌ざわりは良くありません。

山形のそばは、それぞれの粉の特性を生かし、配合の違いによって、その店その店の特徴を出しています。